SAKUMAの想いMESSAGE

「世の中に貢献し、
社員を幸せにできる会社」で
あり続けたい。

  • 佐久間 崇透

    代表取締役

    社長執行役員

  • 森谷 尚弘

    常務執行役員

お二人が統括されている部門の業務内容について教えてください。

佐久間:
私が担当しているのは特殊鋼の「材料」自体を取り扱う部門で、主に大手自動車部品メーカー様に対して最適な特殊鋼材料を提案しています。
森 谷:
その材料を加工して部品の形で供給しているのが、私たちの部門です。当社のパートナー企業である加工メーカー様に部品を加工していただき、それを自動車部品メーカー様に納品します。
佐久間:
当社の強みは、材料の提案から部品の加工までを一貫して担うことができる点です。私たちの部門が連携してお客様への提案を行うことも頻繁にあります。
森 谷:
例を挙げると、2つの異なる部品を「一体化したい」というようなご要望をいただくケースです。2つの部品を1つにするわけですから、形状が非常に複雑になる。すると、加工方法も変わってきます。さらには使用する材料も、必要な特性を満たすものに変える必要があります。
佐久間:
それまで使っていた材料では対応できない場合、特殊鋼メーカー様と連携して材料自体を開発することもあります。つまり、世の中にない材料を新たに作るということです。こうした特殊材料を作り込むケースは多く、当社で扱っている材料の約6割が特殊鋼の中でも「特別」な材料です。
森 谷:
材料と加工をセットで考えて提案しなければ、現在の課題を解決するような良いものづくりはできません。その顕著な例といえるのが、自動車の燃費向上です。
佐久間:
燃費を向上させるために、部品を小型化し軽量化するとします。ただしそれを実現するためには、今までよりも高強度な材料が必要になります。しかし強度の高い材料は加工しにくいので、加工方法を1から検討したり、加工しやすい高強度材を検討したりする必要があります。このように、様々な課題をお客様と一体となって解決していく事で、はじめて「燃費の向上」という本来の目的の実現に貢献できるのです。
森 谷:
自動車部品メーカー様の技術担当の方と一緒になって、材料や加工部品を作り込んでいくのが我々の仕事です。「お客様の技術部門の一部」を担うつもりで仕事をしています。

特殊鋼の専門商社ならではのやりがいは、
どのような点にありますか?

森 谷:
お客様のものづくりに奥深いレベルで関われることです。そうした関わりの中で、新しい提案ができることがあります。たとえば以前、お客様から図面を見せていただいた時に「今までと違う方法で加工できるのではないか」とアイデアが浮かんだことがありました。技術的には難しい加工だったのですが挑戦させてもらえることになり、結果としてそれが採用されて大幅なコストダウンに貢献できました。
佐久間:
それもやはり、高度な技術を持った加工メーカー様がいたからこそ実現できたことですね。
森 谷:
そう。当社の仕事は、パートナー企業である特殊鋼メーカー様や加工メーカー様によって支えられている。お客様のことだけでなく、仕入先様のことも分かるようになれば、自分の提案で部品が成立しお客様、仕入先様に満足頂けます。それができるようになると、本当に仕事が面白くなる。
佐久間:
自動車業界に深く関わっているから、ニーズの変化にもいち早く気づくことができます。たとえば自動運転技術が注目を集めているように、自動車が進化するスピードは非常に速くなっています。私たちが今取り組んでいるのも、3・4年先やさらに先を見据えた開発です。「未来の自動車はどうなる?」という会話は日常的にしています。
森 谷:
「この先、どんな製品の時代が来るのか」「どういう商材を扱っていくのか」を考えるのは、本当に楽しいよね。
佐久間:
そうですね。10年先、20年先を見据えた時に、自動車の機能や役割自体が大きく変わるのであれば、それに合わせて当社が扱う商品も変えていくことができます。「何でも扱える」ということは、商社ならではの魅力ですね。当社は特殊鋼の専門商社ですが、特殊鋼に限らず他の商材を扱うことも可能です。ものづくりに深く関わっている商社だからこそ、新しいニーズに対応することができると思います。

今まで転機になった出来事を教えてください。

森 谷:
思い浮かぶのはやはり、困難な状況を乗り越えたことです。今から15年以上前、社内の対応不足が原因で部品量産の準備が遅れたことがありました。3か月後に量産開始が迫っていたにも関わらず、サンプルを作ったりデータを取ったりする業務がまったく進んでいない。お客様からは厳しく言われて……、そこからはメーカー様に急いでモノを作ってもらい、測定なども急ピッチで進めました。
佐久間:
その後どうなったんですか?
森 谷:
ここでは言えないような緊急事態にも遭遇したけど(笑)、最終的には何とか間に合わせることができた。その年の年末、担当の技術者の方に翌年の手帳をいただいて、中に「いろいろとありがとうございました。これからもがんばってください」とメッセージが書かれていた。その時は本当に涙が出るくらいうれしかった。
佐久間:
いい話ですね。お互いの仕事に対する姿勢が伝わってきます。
森 谷:
20代の時に大変な経験をしたことが、その後の自分の糧になった。だから今、自分の部下に対しても「思い切って好きなようにチャレンジしてほしい」と伝えている。
佐久間:
私もそう思います。「あの時、歯を食いしばってがんばったよね」と言えるような経験をするのとしないのでは、その後の成長が全然違いますよね。「石の上にも三年」と言いますが、最初の3年間は右も左も分からず、つらく大変な事があっても、それを乗り越えたら、仕事が楽しくなってくると思います。私が社会人になった時もそうでしたから。
森 谷:
その成長を実現するためには、自分が置かれている状況に気づく力が必要だと思う。「気づき」があれば、問題発生を未然防止できる。
佐久間:
そしてそのためには、受け身の姿勢ではなく、自発的に考える力が必要だと思います。そういう姿勢を持った人と一緒に働きたいですね。
森 谷:
当社では社内でよく「明元素(めい・げん・そ)」という言葉が使われるけど、本当にこれに尽きると思う。「明るく元気で素直」なこと。そうした姿勢がベースにあれば、必ず自発性を持って成長できる。

佐久間特殊鋼がめざす未来像を聞かせてください。

佐久間:
私たちのめざす道をひとことで言うと、「世の中の役に立つ会社」であること。そのひとつが、革新的なものづくりへの貢献です。たとえば自動車の環境対応が世界レベルで求められていますが、それに応えることが社会貢献につながると思います。また、自動車に限らず、あらゆる社会的問題の解決に貢献していけるはずです。
森 谷:
さらに当社は、身近な社会貢献にも力を入れています。待機児童の解消に貢献するために幼児教育に参画したり、社員や地域の方が一生涯を通して働ける場を提供するために農業に取り組んだり。
佐久間:
私も田植えを体験しましたよ。新しいことにチャレンジしてみると、いろいろな発見がありますね。そういえば森谷支店長ご自身も、地域活動に参加されていると聞きました。
森 谷:
地域の中学校の「働く人に学ぶ会」という会に招かれて、生徒たちに話をした。自分の仕事を例に挙げて「仕事ってすごく楽しいし面白いよ」という話をしたら、後で生徒たちから「働くことに希望を持てました」という感想をもらって。その時は本当に感動した。
佐久間:
「仕事が楽しいし面白い」というのは重要なポイントですね。
森 谷:
当社の仕事はいろんな発見があり仲間がいて、本当に毎日が楽しい。うちの支店の場合でもみんな元気で、チームワークがいい。雰囲気の良さとあたたかさも特徴だね。
佐久間:
「サクマファミリー」という考え方を大切にしていて、社員の家族にも佐久間特殊鋼のファンになってもらおうと、いろんな取り組みをしていますよね。職場の家族参観日とかバーベキューとか。
森 谷:
社会貢献と社員の皆さんの幸せ。その2つは今後も変わらないキーワードだね。お客様の期待に応える姿勢を大切にしているからものづくりの進化に貢献でき、仕事のやりがいや充実感につながる。当社ならではの風土を、次の世代の人たちにも受け継いでいきたいね。